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東京地方裁判所 昭和46年(借チ)43号 決定

〔主文〕申立人が、本裁判確定の日から三月以内に別紙目録(二)記載の建物につき昭和四六年五月一三日受付第一三三七九号をもつてなされた根抵当権設定登記(根抵当権者株式会社北陸銀行)の抹消登記手続をし、かつ、相手方に金五八四万円を支払うことを条件として、別紙目録(一)記載の土地に関する申立人相手方間の賃貸借契約の借地条件を次のとおり変更する。

1 土地の使用目的を堅固建物所有とする。

2 賃料を右金員支払の日の属する月の翌月分から一ケ月三万二、七六〇円に改める。

3 借地期間を右金員支払の日から三〇年とする。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立外余川シゲは、申立外谷口真寿から昭和一六年一一月頃別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的、期間二〇年の約で賃借し、同地上に別紙目録(二)記載の建物(以下本件建物という)を所有した。相手方は谷口真寿から昭和三〇年一一月本件土地を買い受けて賃貸人の地位を承継し、申立人は昭和三三年一〇月一日余川シゲ死亡による相続により賃借人の地位を承継し、本件建物の所有権を取得した。右借地契約は、期間満了に伴い法定更新され、賃料は、昭和三八年七月分から一ケ月二万三、七八〇円に改められ、現在にいたつている。

2 本件土地付近は、借地契約締結当時は木造建物が多かつたが、現在は高層化されているので、申立人としても、本件建物を鉄筋コンクリート造の高層建物に改築する計画のところ、土地の使用目的を堅固建物所有に変更することにつき相手方と協議が調わないので、右変更の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立の要旨として掲げた前記1の事実のほか、本件土地附近は、本件借地契約締結当時は木造の建物が多かつたが、現在は高層化しているので現に借地権を設定する場合堅固建物所有目的とするのが相当であることが認められるので、本件申立は、これを認容すべきである。

2 申立人は、本件申立が認容されることにより、本件土地上に堅固建物を建築し、本件土地を最有効に使用することが可能となり、借地上の建物を利用することにより得られる収益が増加する。この収益の増加は、一面において借地権価格の増加となつて現われ、他面賃料増額の要因となるので、借地権価格の増加分を相手方に対する財産上の給付とし、賃料を改訂するのが相当である。

従来の鑑定委員会の意見によると、非堅固建物所有目的の借地権の価格の更地価格に対する比率(借地権割合)と堅固建物所有目的の借地権の価格の更地価格に対する比率は一〇%程度であるとする意見が多いので、財産上の給付を鑑定委員会の評価になる本件土地の更地価格五八三八万円の約一〇%に当る五八四万円とし、賃料を同委員会の意見に従い一ケ月三万二、七六〇円に改めるのを相当とする。

本件建物の登記簿謄本によると、本件建物に株式会社北陸銀行のため昭和四六年五月一三日受付第一三三七九号をもつて元本極度額六五〇万円の根抵当権設定登記がなされておるので、右根抵当権者の利益を考慮し、かつ、刑法第二六二条に触れるのを避けるため、本件申立を、右財産上の給付の支払のほか、右根抵当権設定登記の抹消登記手続を条件として認容するのを相当とする。

おな、借地期間を財産上の給付義務履行の日から三〇年に変更するのを相当とする。 (小山俊彦)

目録

(一) 東京都中央区銀座七丁目四番五二

宅地 71.99平方米

(二) 東京都中央区銀座七丁目四番地

家屋番号同町一二〇番

木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建店舗

床面積 一階 66.97平方米

二階 68.76平方米

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